単位取得を目指し、他人の二倍は真面目に授業を受けた
ドットジェーピーを辞めて、環境問題に取り組むと決めた馬場さん、技術面、教育面など様々な切り口の中でも教育面で環境問題改善に取り組みたいと考えた。
「人はCO2を排出して、毎日環境に悪いことをして生活しています。一人一人の意識が変われば世界が変わると思い、環境教育を切り口にしようと思いました。僕はこれまでインターンシップのノウハウを学んできたので、環境に携わる企業に学生がインターンシップ経験をすることで、環境問題やその取り組みを知り、参加者の環境に対する意識が変わるきっかけにできるのでは、と思ったんです。」
構想はすぐに浮かんだものの、たった一人でのスタッフ集め、受け入れ企業獲得、インターンシップ参加者集客、なかなか実行に移せなかった。
「何からどう手をつけたらいいのか・・・、具体的なイメージが出来ずに足踏みして憤切りがつかなかったんです。4月からは学校もはじまり学業優先は当然ですし、心が変わったかのように、全授業最前列で出席して毎回教授に質問をしました。僕は工学部ですが数学が苦手で・・・、人の二倍は頑張らないと単位取得すら難しいので、人の二倍真面目に授業を受けると心がけました。」
学業中心の日々を過ごす馬場さん、一時は環境インターンシップのことを頭の片隅に置き忘れたという。そのプランが動きだすきっかけがあった。
「大阪大学の環境サークルに顔をだした際に、一回生が企画する箕面川清掃イベントのコーチングをする機会がありました。サークルメンバーと交流する中で、いずれ一緒に仕事がしたいなという顔ぶれが見えてきました。そんな折に、大阪大学が学生団体の事業に支援してくれる制度を知って、『応募してみよう』と温めていた企画をまとめて、応募に必要な人員数を集めて『環境インターンシップ学生団体EPSA』の事業企画書を提出しました。車や飛行機をつくるサークルが支援を獲得する中、残念ながら僕の企画は採用に到りませんでした。しかし、おかげでスタッフが集まるきっかけになった。結果としてEPSAが動き出し、5名のメンバーで6月23日に初の会議をしました。」
スタッフ一人一人が自発的に行動できる組織づくりを心がけた
2010年2月~3月の春休みのインターンシップ実行を目標に6月23日にEPSAは始動。馬場さんがはじめに取り組んだことは、スタッフと時間をかけてたった一つのことを共有することだった。
「メンバーはインターンシップもビジョンの意味も知らない状態でしたので、『環境問題の改善のために行動する人間を1人でも多く創出する』というEPSAのビジョン共有のみに時間を費やしました。ビジョンを基に将来はNPO法人化を目指し全国展開を目指したい、などみんながどんな団体にしたいか意識を一つにすることで、だんだんやる気も高まった。僕が仕事をふるのでなく、自発的に活動をして欲しかったんです。だからビジョンを共有して、メンバー一人一人に何ができるかを考えて欲しかった。」
その言葉通り、ビジョン共有ができた時点で、各自の担当を決め、何をするかは全て自発的に考え提案するように促した。
「ビジョン達成のために、4つのチームを創り8月3日までに自分で考えた企画書を提案してもらいました。1つ目はインターンシップのプログラムを提案するインターンシップチーム。 2つ目はマネジメントチーム。EPSAはインターン屋でなく、行動する人間創出が目的。環境問題は行動をしっていてもめんどくさいからできないパターンが多い。だからインターン中の2か月間は学生が環境問題に対して行動できるようにガイド仕組みを提案してもらいました。3つ目はプログラムチーム。環境問題に対してどんな行動ができるのか提案してもらいました。4つ目は人材育成チーム。自分達がそもそも環境問題に対する行動ができていないと意味がない。環境問題改善に行動しているカッコイイスタッフを目指すプログラムを提案してもらいました。」
期限の8月3日には、全てのチームからビジョンに基づいた企画書が提案されたそう。 まさにビジョン研修の賜物だ。EPSAの活動概要が決まったことで、次は受け入れ企業獲得のための営業練習から実践へと取り組んだ。
「メンバーは営業自体がもちろん初めてで『敬語が使えない』『お願いに行くのに上からの目線になってしまう』『そもそも名刺が渡せない』というところからのスタートでした。ロールプレイングで僕が見本を見せて、それを真似してもらい何度も練習を繰り返した。学生のりに思われないように意識をしていたので、厳しい指摘なども心がけました。」
代表の仕事は、実務よりスタッフのモチベーションアップ
営業特訓の成果を発揮する、実際の企業訪問。EPSAでは3つの方法で受け入れ企業の獲得に取り組んだ。
「1つ目は、企業のホームページを調べて、気になる企業に直接メール。2つ目は、環境サークルのつながりがあった企業にアプローチ。3つ目は、環境関連のイベントに出席して広報する。結果的には、6社獲得できたのですが、全て直接メールを送った企業でした。」
直接メールを送って訪問する営業活動。企業の反応は・・・。
「最初に僕が訪問した企業は、町工場の企業で会長から『町工場のインターンでいいの?』という声をいただきました。 僕は会長の人柄と豊富な知識に魅かれて『会長のお話を聞くだけでも気づきがある。社会との結びつきを通して社会に貢献できる学生を増やしたい』と思いを伝えて『会長が外出される際に、インターンシップ生を連れていき商談の話を聞くプログラムは? 工場の工程の手伝いはいかがでしょう?』などインターンプログラムを提案して実際に受け入れいただきました。」
企業の会長や経営者を相手に物怖じせずに、自分の思いやインターンシッププログラムを柔軟に提案する馬場さん、そこにはドットジェーピーの議員インターンシップスタッフ経験が活きている。
「実は、ドットジェーピーのスタッフ時代、ビラ捲きやイベント運営で日中活動するのですが、帰宅後は受け入れ先の約80事務所の議員さんの『性格』、『政治に対する考え方』、『事務所の場所』、『インターン内容』など全て把握しなければならなかったんです。覚えるためのテストもありました。実際に議員さんにインターン希望者を連れていき、プログラムの提案をすることもあるので、覚えなければスタッフとして対応できなかったんですよね。ここでの経験があったから自分なりにインターンシップの立案や営業などインターンシップに関わる全体像を把握できていたんです。」
6社の受け入れ先獲得への道のりは、さぞかし厳しかったのではと思いきや、「実は、受け入れ企業は全てメールでアポを獲得しました。メールを送信した企業が12社、実際にアポが取れてお会いできた6社が全て受け入れに協力していただきました。」と話す馬場さん。
馬場さんは6社のうち2社を獲得。残りの4社は初めて営業を担当したメンバーが練習の成果をみせた。受け入れ先企業の獲得と同時にインターンシップ実施までの進行では、馬場さんを除いた4名のスタッフが『広報』、『説明会』、『企業交流会』、『選考会』、『オリエンテーション』、『インターンシップ中のフォロー』などほとんどの実務をこなした。
それでは馬場さんの役割は一体?
「代表は仕事を持たないと決めていて、僕はみんなのモチベーション管理が担当でした。 『皆でビジョンに向かって進んでいるんだ!!』と意識を統一できるように。 具体的には月刊MVPの動画を作成しました。 またスタッフ一人一人に手書きの手紙を渡して自分の思いや日頃の感謝を伝えていました。『今日もお疲れさん、頑張ったね!!』というような。」
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